8/3『四谷階段百物語 第二不思議』@四谷天窓

前回好評を博したイベント、四谷天窓の四谷怪談、もとい階段。第二幕を迎え更に怖さ増量、納涼のステージとなりました。
何が怖いって、怪談話以上に(?)、司会を務める渡辺都さんのハマリっぷり! 司会してない時(他の方が怪談話を繰り広げている時)も特殊な気配を放ち、後で撮った写真を見た時に思わず背筋が凍りそうになってしまいました。
こんな感じです…
適役過ぎます(笑)

ライヴは異様なテンションの中でスタートしました。


町田文野

7/24の大強運で"代々木原ヨヨ子"として出演していた町田文野さん。今回初めてライヴを観賞したのですが、中低音域の声が凄く存在感あって、曲に力強さと説得力を与えるに十分でした。「相合傘」、「赤い月」の持つ雰囲気が文野さんのイメージにピッタリとハマり、なかなか格好良かったです。怪談の雰囲気に呑まれ、空調で揺れてるステージ上の飾り物見て本気で怖がっていたのが微笑ましかった(それだけの雰囲気作りをした都さんのMCは凄いです!)


川端深雪

年1回程度活動するバンドでしか披露しないという貴重な曲も披露してくれた深雪さん。連日のライヴながら疲れも無く、幽霊も吹き飛ばす勢いの笑顔が印象的でした。深雪さんが話してくれた怪談話はつい最近の経験談で、自分の隣で座っていた発破スタッフの樋口さん(深雪さんと一緒にその幽霊(?)を経験)がその日のことを思い出し、本気で怖がって涙浮かべそうになってました。笑顔で怪談話をする深雪さん…さらっと笑顔で話してくれたので、それが逆に怖さを増してくれました。ライヴは実に明るく川端印満開で突き抜けましたが、「ひまわり」がいつも以上に心に沁みてきました。


渡部隼人 w/もぐら

ライヴ観賞仲間のあきボーさんお勧めのアーティスト。今回はカホン&手のひらサイズのジャンベで参加した、もぐらさん(というより、あまりに劇団ひとりさんに似てて終始"ひとりさん"と呼んでました(笑))とのセッション。穏やかな歌声、優しいギターの音色が印象的で、心に自然に入り込む感じ。それでいて「スケルトンの世界」ではもぐらさんとお互いの音を高め合いヒートアップしていく様が格好良かったですね。もぐらさんと漫才コンビみたいになってたのが面白く、ステージを笑顔で優しい感じに包み込んでくれました。


代々木原シゲル

1曲目が「チョコレート」。シゲルさんはHPにてこの曲を紹介する際、"これがはまればきっとハッピー"と書いてるのですが、この日のライヴはまさにピッタリとハマり、一気に代々木原シゲルワールドへ誘ってくれました。時に酔いが回り過ぎて収拾つかなくなる時も見受けられたりするのですが、昨日はとてもいい方向に弾けてくれた感じがします。アドリブ調の新曲もこの日の好調ぶりと相俟ってハマっていたし、最後に披露した代表曲「しんがーそんぐらいたー」も十分な説得力を併せ持っていて、急遽入ったピアノサポート&もぐらさんのカホンとも見事なセッション! あっついステージを終始かましてくれました。


さとうもとき

怪談以上に鬼のような形相で(ごめんなさい!)、魂をいっぱいに込めた歌を熱く届けるもときさん。今回も「変わる男」から全力疾走で相変わらずの熱さを露呈! 幽霊も逃げ出すくらいの逞しさでした。個人的に、今回特に「家族ですごした日々」が心にダイレクトに響いてきました。詞が自分と重なり(自分の場合は妹ではなく弟ですが)、父親が主人公に伝えた言葉の重みが過去を呼び起こし、涙腺を緩ませるようでした。もときさんの熱唱がより曲にリアリティを与えていてもうやばかったですね。その熱さのまま最後に「欲望・生活・毎日のがまん」を披露。ひたすら格好良かったです。

そういえばこの曲を紹介する前に、広島での出来事を話してくれたもときさん。もときさんの言葉ひとつひとつから、原爆の重みを痛いくらいに感じました。改めて原爆を、戦争を(戦争を経験したこと無いけど)学ぶいい機会じゃないか、と考えさせてくれました。


渡辺都

MCではもときさんのもつ熱さに押されてかいつも以上に笑顔が多いような感じもしました。それでも、初めに披露した曲(♪はないちもんめ、の都さんバージョン?)での存在感は圧巻の一言。馴染み深い童歌に都さんが色をつけることによってあそこまで怖くなるとは! ギリギリまで追詰められた感を如実に示した都さんのヴォーカルがとにかく見事でした(しかも普段は淡々と歌うからこそ力強いときとのコントラストが凄いのです)。
(後で調べたら、「はないちもんめ」自体が哀しい歌だったのです…歌詞の意味を深く知ってから都さんのバージョンを改めて聴いたら、更に怖さが増しそう)
また、最後の曲「細胞」も素晴らしかったですね。一転して穏やかに、微笑を湛えて歌う姿が大袈裟かもしれないけど聖母のような、そんな感覚。その全てが中島みゆきさんを彷彿とさせるといっても過言ではないくらいの表現の幅広さ、歌の巧さに聴いたら唸る事必至です。


実は都さんのライヴ中に控え室から深雪さんの笑い声が漏れ聞こえてきたのですが、なんと最後の出演者登場時に全員が特殊メイクを! 白塗りで血糊全開の出演者に都さん(この演出は知らなかったそう)も観客もビックリ。怖いのと面白いのとで大盛り上がりのエンディングでした。終了後の写真撮影会、そして負けじと特殊メイクを施した都さんの恐怖倍増っぷりが凄まじかったです。詳しくはPhotoAlbumを参照してくださいませ… 一部を掲載しておきます。



納涼気分と素晴らしいアーティストの競演、楽しすぎるイベントでした。
写真を見たら呼び込んだ霊が写ってたりして…